看護師がキャリアアップする方法は、大きく分けて2つです。1つは特定の医療現場で実務経験を重ねて管理職になり地位を高めていく方法で、もう1つは特定分野の専門資格を取得してスキルアップしてゆく方法です。1つ目は、まず現場を取り仕切る看護主任になり、その後看護師長を経て経営に携わる看護部長の地位に昇っていくというキャリアの積み方になります。看護主任は現場のナースのリーダーであり、看護が円滑に行われるよう指揮を取る役割を担います。

看護主任になるには10年以上の実務経験が必要と言われていますが、小規模の医療機関であればもっと短い実務経験でも看護主任の地位に就けることもあるようです。看護主任の上司にあたるのが看護師長ですが、現場の看護師を統括するという点では、どちらも同じ職務を担います。看護師長は現場ナースの相談に乗ったりアドバイスをしたりするほか、現場の声を看護部長に届けて環境の改善に努めるのが仕事です。看護部長は経営者の一員であり、職場の全職員を統括する立場にあります。看護部長になると、看護の方針や計画を定める重責も負うことになるのです。

2つ目は、認定看護師や専門看護師の認定試験を受けて資格を取得し、専門的なスキルを身につけてキャリアアップする方法です。職場にこだわらず、どこでも活躍できるスキルを習得するので、職場を変えながらキャリアアップすることができます。自分のスキルを生かせる職場を選んでブラッシュアップすることができるため、職場の人間関係に翻弄されるリスクも小さいと言えるでしょう。ただし、こうした資格を取得するためには、一定期間の実務経験を経てから研修を受けて認定試験に合格しなければなりません。